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2021.04.01 フォーミュラリー
茨城・古河の地域フォーミュラリー、PPIで運用開始へ
茨城県古河市の古河赤十字病院(小山信一郎院長)など地域の中核病院3施設で準備が進む地域フォーミュラリーについて、近く第1弾のプロトンポンプ阻害剤(PPI)で運用がスタートする見通しになった。3施設が共同で設置した作業部会が3成分の推奨薬について合意し、各施設で最終調整に入っている。ARB、フィブラート系薬にも順次拡大する方針だ。
●中核病院3施設でスタート
地域フォーミュラリーをスタートさせるのは、茨城県西部の古河・坂東医療圏にある古河赤十字病院(古河市、200床)、友愛記念病院(同、325床)、茨城西南医療センター病院(境町、358床)の3施設。古河赤十字病院の小山院長が呼び掛け人となり、昨年夏ごろから準備を進めていた。
3施設は地域フォーミュラリーを作成・更新する組織として、病院長、事務部長、薬剤部長で構成する「古河・猿島郡地域フォーミュラリー幹部会」を設置。その下に、薬事委員長、薬剤部長、事務部から成る運営委員会、さらにその下の実動部隊として現場の薬剤師で集まる作業部会を設置し、検討を進めている。幹部会の代表幹事や事務局は持ち回りで、現在はいずれも古河赤十字病院が務めている。
幹部会ではPPIとARB、フィブラート系脂質異常症治療薬の3つの薬効群を取り上げることを既に決定済み。このうちPPI(経口)では第1推奨薬がラベプラゾールとランソプラゾールの後発医薬品、第2推奨薬がオメプラゾールの後発品とすることを作業部会で合意した。地域フォーミュラリーで決めるのはここまでで、これら3成分の剤形や規格、その他の成分の取り扱いは各施設の裁量で院内フォーミュラリーに落とし込む。
●推奨薬以外の取り扱いは院内フォーミュラリーで
例えば、古河赤十字病院の院内フォーミュラリーでは、ラベプラゾールは普通錠10mg、ランソプラゾールはOD錠15mg・30mgを採用する予定。記載するのは一般名のみで、メーカー名は定めない。後発品のない「ネキシウム」(一般名=エソメプラゾール)は小児限定(顆粒)、「タケキャブ」(ボノプラザン)はヘリコバクター・ピロリ除菌や逆流性食道炎の重症例に限る条件付きでそれぞれ推奨する方向で調整している。
推奨薬の選定に当たっては、日本調剤の会員制オンライン医薬品情報サービスを参考にした。古河赤十字病院の薬剤部は「地域医療の経済的な負担軽減のためにも、地域フォーミュラリーに協力いただきたい。既存患者に対する切り替えは難しいかもしれないので、まずは新規患者に推奨薬を使用してもらうよう医師にお願いをしていきたい」と話す。地域の医療機関や薬局に対しては、ホームページなどを通じて推奨薬を告知したいとしている。
日刊薬業 2021年3月5日掲載[許諾番号20210309_02]
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